株式会社アーキテックスの新社屋「LIFE STUDIO」は、SE構法で建てられた木造3階建てだ。BtoBからBtoCに業態シフトをし、エンドユーザーとの接点が増えたことを契機に、当社ではコミュニケーション能力の高い人材が必要となった。新社屋は人材育成の土壌となる社員の労働環境整備に力を入れるためでもあったという。
新社屋の敷地は、国道沿いになったため、周辺環境への対処が課題となった。騒音や振動を排除しながら、緑豊かで明るく開放的な空間にしたい、という相反する課題を達成するため、いかに外界へ「閉じながら開くか」が設計のポイントとなった。プロジェクトの会議には若手社員が10名ほど参加して意見の交換もおこなったという。
結果的に建物の外観はシンプルで巨大なボックス型となり、内部で多様な空間構成がドラマティックに展開する場となった。1階は中庭を通ってエントランスに至り、商談スペース、授乳室、多目的トイレ、さらにキッズルームなど来客のための空間に。2階は中庭の吹き抜けを中心に、オフィスと会議室、3階には社員食堂とTV会議ルームおよびロフトが設けられた。
利用者別にゾーニングされたフロアを、吹き抜け、スキップフロア、中庭などの変化にとんだ構成でつなげ、外部と内部、内部と内部をゆるやかに結び、随所に緑を配置することで、縦横に広がりを感じる快適な環境が整えられた。今後、社員にとって快適で愛着の湧く場となっていくはずだ。