淡路島の西海岸の高台にあり、瀬戸内海の眺めを存分に楽しめるロケーションを生かしたノバシステム株式会社の社員厚生施設、いわゆる保養所がこちら。
設計したのは、新進気鋭の建築家、吉永規夫氏。妻は工務店を営んでいて、吉永氏の設計した建物のほとんどを施工しているという。吉永氏はホールのような大空間でもSE構法であれば木造で建設できると考え、安全性と経済面を検討した結果、当施設も木造で建築することになった。
この保養所の一番大きな空間は南側の研修ホールだ。南側は古くからある別荘地に隣接しているため、ホールを壁のようにして音漏れを防ぎ、お互いのプライバシーに配慮するかたちをとった。ホールの窓は、床からほぼ天井まである大開口で、瀬戸内海とそれを背にした桜が絵のように印象的だ。この桜は自然に発生したもので、吉永氏の提案で残されたという。
研修ホールは南北に長い棟と接しており、この棟の1階はエントランスとキッチン、共用リビング、水回り、宿泊部屋が1室、そしてリビングに隣接するテラスにはインフィニティプール。2階は6室の宿泊部屋で構成されている。どの部屋も西側に大きな開口があり、穏やかな瀬戸内の海を見渡すことができる居心地のよい空間となっている。
同社の保養所は、神奈川県の箱根に続いて二カ所目。箱根の施設は、東京本社の社員に人気であるため、淡路島の当施設も大坂本社の社員から積極的に使われることを見込まれている。
施工
株式会社ツダ