兵庫県宝塚市、小林駅から東に15分ほど歩いた目抜き通りに建つ「karakusa」(からくさ)は、地域再生を体現しつつある店舗付き集合住宅だ。向かいに位置し、1階に店舗が入っている集合住宅「Inn house」とともに、この界隈を活気付かせている。
まちづくりの再生のきっかけは、両物件のオーナーである木本さんの家族が、Inn houseの前身である店舗付き集合住宅と、更地を相続したことから始まった。
まず、Inn houseの住居部分を自然素材の部屋としてリノベーションすることが決まった。ヒアリングを通じて設計・施工を決めたのは、レベルの高い提案をした道下工務店だ。
実際のリノベーションの工事過程をネットで配信すると、竣工前に入居者がすべて決まり、入居者用のイベントには全員が参加し、賃貸物件が稼働する前に交流が生まれたという。このコミュニティは作れる、という手ごたえを得て新築されたのが、同じく道下工務店による「karakusa」である。
「karakusa」の一階は、地域の住民が集うコミュニティカフェとした。間取りの面でも建物の余白をコミュニティスペースとしたり、内装をDIY可能にしたりと、存在自体がコミュニケーションを生むきっかけになっている。
また、常に変化していく利用者のニーズに合わせて、リフォーム時に間取りをゼロに戻せるスケルトン構造とし、4,095mmのモジュールを守っていることが特徴的だ。
「karakusa」はスケルトンインフィルのポテンシャルを生かし、時間をつないでまちづくりを育んでいくだろう。
設計・SE施工
道下工務店 / http://www.ecomichi.com/