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地震と住宅の新常識
あらわし梁で魅せる家づくり~開放感とデザイン性を両立する方法~のインデックス
木の素材感を活かしたデザイン性の高い住まいをご希望の方に、ぜひおすすめしたいのが「あらわし梁」で魅せる家づくりです。あらわし梁は、スタイリッシュな内装や木の質感が楽しめる一方で、躯体を一部むき出しにするデザインに、不安を感じる方もいるかもしれません。
今回は、あらわし梁のメリット・デメリットについて詳しく解説します。SE構法の住まいで叶えた実際の施工事例も紹介しますので、あらわし梁が気になる方はぜひ参考にしてください。
あらわし梁とは、通常は天井や壁に隠れて見えない梁を、デザインの一部としてあえて見せる建築手法です。主に木造住宅ならではの見せ方であり、自然素材である木の風合いを活かした空間になると人気を集めています。
戸建て住宅の多くは、建物を支える構造躯体としての梁を見せずに、クロスなどの仕上げ材で天井を覆うのが一般的です。一方あらわし梁は、覆っていた仕上げ材がなくなる分、天井が高くなるため、意匠性が高まるだけでなく空間も広く感じられます。
はじめに、あらわし梁の持つ3つのメリットについて詳しく見ていきましょう。
本来、天井になるはずだった部分の構造をあえて見せるあらわし梁は、通常よりも高く空間を確保できます。開放感を演出するあらわし梁は、特に家族が集うリビングやダイニングに採用するのがおすすめです。あらわし梁の効果で視線が自然と上に抜け、ゆるやかな広がりを感じやすくなるため、家族と過ごす時間もさらにくつろいで感じられるでしょう。
むき出しの木の梁は空間にアクセントを加え、色合いに応じてナチュラルさやヴィンテージ感も演出できます。あらわし梁にライティングレールを取り付ければ、ペンダントライトの設置も可能です。デザイン性の高い照明とあらわし梁の効果で、細部までこだわった自分だけの空間づくりが実現します。
あらわし梁は、建物を支える構造躯体をデザインとして取り入れる手法です。構造体としての重厚感がある梁は見る人に安定感を感じさせ、木目の美しさも同時に楽しめます。ナチュラルさと落ち着きを演出する木目は、どのようなインテリアテイストにも合わせやすく、愛着を持って長く住み続けられるのも魅力です。
メリットに続いて、あらわし梁の持つ2つのデメリットとそれぞれの対策について解説します。
あらわし梁はデザイン性に優れる一方で、梁がむき出しになるためホコリが溜まりやすく、定期的な掃除が欠かせません。しかし、掃除する度にわざわざ踏み台を用意して、梁の上を掃除するのは大変です。
掃除の手間を減らすなら、梁の上部をフラットな形状にして、あらかじめ拭き取りやすくしておきましょう。フラットな形状なら伸縮式のハンディモップでさっと拭うだけでホコリが取り除けるので、掃除の手間を感じにくくなります。小まめに掃除をする場合は、噴射する空気でホコリを吹き飛ばす、エアダスターを使ってみるのもおすすめです。
あらわし梁は開放的な空間を演出する一方で、通常よりも天井が高くなるため、空調の効率に影響を及ぼす可能性があります。空気には暖まると上昇する性質があるため、特に冬場は暖房の熱が上に溜まりやすいです。暖房を稼働させても、暖められた空気が天井付近に溜まってしまえば、底冷えを感じる原因にもなるでしょう。
冬場も快適に過ごすなら、シーリングファンを設置して空気が常に循環する仕組みを作るのがおすすめです。高性能な断熱材や断熱効果の高い窓を採用し、建物そのものから出入りする熱を少なくすれば、熱損失も抑えてさらに快適に過ごせるでしょう。
むき出しの躯体をデザインとして利用するあらわし梁は、建物を強固に支える構造の強さがあってこそ、一段と魅力が引き立ちます。そこであらわし梁を使った家づくりにおすすめしたいのが、木造住宅の自由度の高さと鉄骨造の頑丈さを組み合わせたSE構法です。ここではあらわし梁を活かすデザインを楽しみたい方に最適な、SE構法の魅力を紹介します。
あらわし梁はデザイン性と開放感の高い空間づくりを叶えますが、壁や柱を減らす設計は建物の耐震性に不安を残す場合もあるでしょう。しかし建物1棟1棟で厳密な構造計算を実施するSE構法なら、その心配は不要です。
構造計算とは、緻密な計算によって数値を測り、目で見える科学的な根拠に基づいて建物の安全性を検証する計算のこと。鉄骨造やRC造の建物の場合は法令で義務付けられる構造計算ですが、一般的な木造住宅では実施が義務付けられていないため、より簡易的な「壁量規定」を用いて建物の強さが測られているのが現状です。
その点SE構法は、手掛けるすべての建物を対象に厳密な構造計算を実施。設計の工夫や使用する部材へのこだわりだけでなく、目に見える数値で住まいの強度の高さを立証しています。
SE構法で使用するのは、厳密な規格をクリアして強度が確認された構造用集成材です。木造住宅は自然素材である木を材料として使うため、一定の品質と強度を保つためにも適切な管理が欠かせません。SE構法は生育状況にばらつきのある木材の品質を一定に保つため、集成材として貼り合わせる板1枚1枚にいたるまで徹底的に強度を検査し、品質を管理しています。
またSE構法は、柱と梁をつなぐ部分に独自のSE金物を採用。強固な金物で柱と梁を継ぎ合わせ、主に鉄骨造で採用される「ラーメン構造」を木造に取り入れています。独自開発したSE金物の効果で、力を受け流す木造のしなやかさに金物ならではの強さが加わった、耐久性の高い構造が実現しました。
あらわし梁は通常よりも高さのある天井を叶え、開放的な空間のアクセントとしてもよく映えます。柱と梁を組み合わせる在来工法は、耐震性と強度を確保するために、柱と梁の継ぎ目を斜めに支える「筋交い」が不可欠です。筋交いをなくすと十分な耐震性を維持できないため、在来工法が多くを占める木造住宅は、一般的に大空間や吹き抜けのある間取りに不向きとされてきました。
一方SE金物とラーメン構造で高い耐震性を叶え、筋交い不要のSE構法なら、大空間や吹き抜けも設計しやすく、あらわし梁を効果的に使った間取りを実現できます。開放感とデザイン性のどちらも高めた間取りが希望なら、ぜひSE構法での家づくりを検討しましょう。
ここからは、実際にSE構法で建てられた建築物の中から、特にあらわし梁の特徴を効果的に活かした2つの事例を紹介します。今回ご紹介する2つ以外の事例は、こちらからご覧いただけます。SE構法を取り入れた住宅では、あらわし梁を数多く採用していますので、ぜひ家づくりの参考にご覧ください。
まずご紹介するのは、東京都内に建てられた二世帯住宅です。13坪という限られた土地面積と非常に厳しい高さ制限が設けられた地域という難しい条件の中、天井高の確保と広がりを感じる空間演出が課題でした。
そこで採用したのが、天井にアクセントを加えつつ、高さと空間の広がりを演出するあらわし梁です。家族が集うリビング・ダイニングは、少しでも広がりを感じられる空間にしたいというご要望もあって、あらわし梁を使った天井が実現しました。
限られた敷地面積と厳しい高さ制限の中、スペースを有効活用するために廊下のない間取りを採用。上の階に子ども部屋を2つ確保するため、間取りの工夫としてLDKの中央に階段を配置し、抜け感のある鉄骨階段を選んで圧迫感を軽減させました。
インテリアに合わせて塗装したあらわし梁の色味が、鉄骨階段の色合いと見事に調和し、リビング中央への階段の配置も違和感なくまとめ上げています。白い壁やフローリングとのコントラストもメリハリが効き、インテリアを引き締めるアクセントとして空間を印象付ける事例になりました。
【品川区】素材感にこだわったインダストリアルな13坪の狭小二世帯住宅
壁や柱といった遮るものが一切ないこちらの事例は、LDKが一体となった約21帖もの大空間を叶えました。梁下から床面まで開口部を大きくとった掃き出し窓からは明るく日が差し込み、庭につながるように配置したウッドデッキがさらに空間の広がりを感じさせます。
リビング側の天井は、建物の構造上やや大ぶりとなった梁成を活かしてあらわし梁を配置。リビングとダイニングのゾーニングを見る人に自然と意識させ、視覚的な区別を与えています。
リビング・ダイニングだけでなく、吹き抜けを伴うセカンドリビングでもあらわし梁を採用。天井の勾配に沿う斜めのラインが空間を引き締め、デザインにリズムを与えています。
セカンドリビングの階段を上がった先は、アカシアのフローリングが鮮やかなロフトを用意。ロフトの天井部分にもあらわし梁を採用し、天井を高く見せつつ階下のセカンドリビングとの視覚的な繋がりを演出しました。
デザインとして建物の構造体を見せるあらわし梁は、スタイリッシュな見た目を叶えるとともに、通常よりも天井を高くして空間に広がりを感じさせます。そして空間に広がりを与える吹き抜けや、家族が集う大空間を魅力的に見せるあらわし梁を使った家づくりには、ラーメン構造とSE金物を駆使したSE構法がおすすめです。
高い耐震性とデザイン性を叶えるSE構法での家づくりがご希望の方は、ぜひお近くの登録施工店へお気軽にお問い合わせください。
SE構法は、木造住宅の構造技術です。丈夫な材料とラーメン構法による強い構造躯体と、一棟一棟に対する基礎から上部までの厳密な構造計算を行う点が最大の特長です。私たちの特長を是非ご覧ください。
株式会社エヌ・シー・エヌが開発した構法で、集成材とSE金物による堅牢な構造媒体を持ちすべての建造物に対してひとつひとつ構造計算(許容応力度等計算)を行うことで、
を同時に実現できる構法です。
(施工は全国の登録工務店でしか行うことができません。)