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土地を最大限に活かす!オーバーハング住宅の特徴とメリット・デメリット

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土地を最大限に活かす!オーバーハング住宅の特徴とメリット・デメリットのインデックス

大きな土地を確保するのが難しい都市部や道路に面した間口が狭い敷地での家づくりなど条件的に限られたケースでも、理想の家を建てたいと思ったことはありませんか?
こうした、土地の条件による制約を克服して快適で広々とした住空間を作り出す設計手法として「オーバーハング」が注目されています。

2階部分が1階部分よりも出っ張った形状のオーバーハング住宅は、個性的な外観や住空間を確保できるなどのメリットがある反面、構造などのデメリットや注意点があることを忘れてはいけません。
そこで本記事では、オーバーハングの特徴とその課題や設計時の注意点、さらに安心して建てるための最適な構法について解説します。

オーバーハングとは?

オーバーハング(overhang)とは、英語で「over(超えて、上へ)+hang(吊るす、掛ける)」という意味を持つ言葉です。建築用語でのオーバーハングは2階部分よりも1階が外側に迫り出した形状の建築設計を指します。

ローマ字のL字が上下逆になっている形状と言えばイメージが湧きやすいかもしれません。オーバーハングの住宅は、限られた敷地を活かす設計や、外観のデザイン性を重視した家づくりで採用されることが多くなっています。

たとえば狭小地ではあるけれど、駐車スペースも確保しながら家づくりをしたい場合、1階部分に駐車スペースを作り、その上をオーバーハングで拡張することで部屋数や居住空間にも妥協しない家づくりが叶えられます。

事例紹介:SE構法で実現したオーバーハング住宅

理想のデザインや暮らしに合わせて、オーバーハングがどう取り入れられているのでしょうか?ここからは、オーバーハングを設計に取り入れることで、具体的にどんな家づくりができるのか実例をもとに見ていきましょう。

ここでご紹介するのは、いずれもオーバーハング設計と相性の良いSE構法で実現した実例です。

上階がせり出した浮遊感のある外観デザイン

東京都新宿区で家づくりをされたオーナー様が建てたのは、道路から見たときに浮遊感と軽やかさを感じさせる邸宅です。

オーバーハングさせた2階部分の下にあたる軒天は、板張りにすることで外観に温かみをプラス。建物のボリュームが上重心になってしまうことによる不安定さを軽減するために、1階部分と2階部分の外壁カラーを変えるなど、細かな設計プランによって軽やかな印象をデザインしています。

往来の多い都市部だからこそ、街並みに調和しつつプライバシーにも配慮した設計が、オーバーハングにより実現されています。

木の温もりと旋律の織りなす家【東京都新宿区】

箱型のシンプルな外観デザイン

一見するとシンプルな箱型のデザインにも見えるこちらのシンプルモダンなお住まいは、SE構法によって木造住宅ながら天井高3.5m広々とした2階リビングを実現しました。

間口の広い土地を生かし、オーバーハングでせり出した2階の下部分は駐車スペースとして活用。車を降りてから雨に濡れることなく玄関まで移動できるなど暮らしやすさも叶えています。

このように、1階部分のスペースを有効活用できるのもオーバーハング住宅の魅力です。

「余白」のあるシンプルモダンの家【神奈川県】

オーバーハング住宅のメリット

オーバーハング住宅は狭小地でも床面積を有効に確保できるため、特に都市部や住宅地で家を建てる方にとって魅力的な選択肢です。どのようなメリットがあるのかを確認し、家づくりにどう活かせるか検討してみましょう。

2階の面積を広げられる

土地が狭い場合でも、2階部分を張りだすことで床面積を広げられます。

都市部では道路に面している1階部分に日当たりを確保することが難しいケースもあるため、2階リビングを採用した間取りも選択肢の一つで、オーバーハング住宅との相性もよいでしょう。

1階の基礎面積を減らせる

オーナーハング住宅のもう一つのメリットは、家づくりの建築コストを下げられる点にあります。その理由は1階部分の床面積をコンパクトに設計し、2階部分をオーバーハングで拡張させることで、基礎工事のエリアが小さくできるからです。

一般的に住宅の基礎工事にかかる費用は、総工事費の7〜10%程度と言われています。
施工面積が少なくなれば使う資材の量が少なくなり、建築コスト削減につながります。

張り出した部分の下を有効活用できる

オーバーハングによって張り出した上階部分の下は、駐車スペースや自転車置き場などに活用できます。カーポートを設置せずに済むなどのコストメリットもあるでしょう。

このように、オーバーハング住宅はデザイン性だけでなく暮らしやすさと言う視点から機能性も両立できる設計です。

オーバーハング住宅のデメリット

オーバーハング住宅にはメリットもある一方で、取り入れる際には慎重に検討しなければいけないデメリットも存在します。
家づくりに取り入れる際には、こうしたデメリットもきちんと理解しながら、設計担当者に安心の家づくりのためにはどんな対策があるのかを確認していきましょう。

耐震性の懸念

いわゆる在来工法とよばれる木造軸組工法では、オーバーハング住宅は張り出した部分に負荷がかかり、構造的に弱くなりがちなデメリットがあります。

地震などの外的要因で建物全体のバランスが崩れると、建物が大きく揺れて、損傷する可能性が高くなります。対策としては強度の高い構法を選ぶ必要があります。

設計や施工の難易度が高い

オーバーハング住宅は、一般的な住宅と比べて耐震性を慎重に検討しなければいけません。耐震性を確保するためには許容応力度計算と言われる構造計算が必要です。

オーナーハング住宅を建てる際には、通常の木造建築よりも専門的な知識が求められますが、すべての住宅会社が対応しているわけではないため、依頼先の実績や許容応力度計算などの構造計算への対応を確認することが大切です。

計算や補強が不十分な場合、建物の安全性が損なわれる可能性もある点には注意が必要です。

RC造にするとコスト増につながる可能性

構造上弱くなりやすいオーバーハング住宅を建てる際には、強度を確保するためにRC造にする選択肢が考えられます。

ただし、RC造は木造住宅よりも建築費が高くなるのがデメリットです。また、建てたあとも固定資産税も上がるため、長期的にみるとデメリットが大きくなる可能性があります。

木造でも安心してオーバーハング住宅を実現する方法

オーバーハング住宅は間取りやデザイン性の自由度が高い反面、注意点も多くありますが、正しく理解して計画すれば、デメリットを克服した家づくりが叶えられます。

木造住宅でも地震に強いオーバーハング住宅を建てるなら必ず許容応力度計算をした家づくりを進めましょう。

許容応力度計算は、地震に耐えられるかを確認する地震荷重だけでなく、家の重さである「鉛直荷重」、強風に耐えられるかを測る「風荷重」などを構造計算で数値化された性能として実証していく構造計算方法です。

次にご紹介するSE構法では、木造住宅でも耐震性を確認するために全棟で構造計算をしており、木造でも安全なオーバーハング住宅を建てられます。

SE構法の強み

SE構法は、最先端の木構造技術で自由度の高い空間設計と、優れた耐震性を確保した家づくりを可能にする構法です。
オーバーハング住宅とも相性のよいSE構法の魅力について、詳しく見ていきましょう。

ラーメン構造による高い耐震性

SE構法は梁と柱を剛接合したラーメン構造によって、筋交いがなくても耐震性の高い家づくりを実現する工法です。

均質性の高い構造用集成材を使うことで、木造住宅でもRC造並みの強度を確保できます。

そのため2階を張り出したオーバーハング住宅でも1階部分をオープンスペースにしながら強度の高い構造が実現できます。

構造計算で強度を証明

SE構法ではすべての建物に対して許容応力度計算による構造計算を実施しています。これは、建物の安全性を数値的に裏付けるもので、地震力や風力、建物自体の重さなど、さまざまな荷重に対して部材や接合部がどれだけ耐えられるかを詳細に検証するものです。

特にオーバーハングのように2階部分が大きく張り出す設計では、通常よりも複雑な力が建物にかかります。例えば、張り出し部分の荷重が1階部分にどう影響するか、風圧でどの程度の揺れが生じるかなど、構造的なバランスの検証は重要です。

SE構法ならこうしたオーバーハング特有の構造的リスクに対しても、構造計算によって安全性を事前に数値で証明できるため、自由な設計を保ちつつ安心して暮らせる住まいを叶えられます。

RC造よりも軽量&コストパフォーマンスに優れる

SE構法は、木造住宅なのでRC造住宅のデメリットでもあるコストの高さを心配する必要がなく、コストパフォーマンスのよい家づくりができます。

木造であるSE構法は使う建材がRC造よりも軽量かつ安価です。狭小地や旗竿地のように資材を運び入れるのが大変な立地条件での家づくりでも比較的スムーズに施工を進められることから、建築コストや工期短縮につながります。

オーバーハング住宅建築の際は安全性の高さを考慮しよう

デザイン性の高いオーバーハング住宅は、狭小地での家づくりなどでも土地を有効活用できることから魅力的な選択肢です。
ただし課題となるのは耐震性。そのため木造住宅ではオーナーハング住宅は難しいと考えていた方も多いかもしれません。

今回ご紹介したSE構法なら、木造住宅でもオーバーハング建築を安全に実現できます。
これから狭小地での家づくりや、他にはないデザイン性の高い家づくりを考えている方は、SE構法で建てるオーバーハング住宅もぜひ検討してみてください。

高い耐震性能と自由で大胆な空間デザインを両立する、耐震構法SE構法

SE構法は、木造住宅の構造技術です。丈夫な材料とラーメン構法による強い構造躯体と、一棟一棟に対する基礎から上部までの厳密な構造計算を行う点が最大の特長です。私たちの特長を是非ご覧ください。

SE構法とは…

株式会社エヌ・シー・エヌが開発した構法で、集成材とSE金物による堅牢な構造媒体を持ちすべての建造物に対してひとつひとつ構造計算(許容応力度等計算)を行うことで、

  • 木造でありながら地震に対する安全性
  • 壁や柱が少ない室内での「大空間」
  • 大きな窓を採用し光を取り入れる「大開口」

を同時に実現できる構法です。
(施工は全国の登録工務店でしか行うことができません。)

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