SE構法最大規模の木造空間を施設の中心に据え、多様な機能を連携させて都市の公共空間を形成する
薩摩川内市に、2024年4月29日にオープンした大規模木造複合施設「センノオト」は、SE構法を用いた過去最大級の建物である。事業主体は九州電力株式会である。薩摩川内市は2004年に、旧・川内市が島嶼部を含む周辺8つの町村と合併して誕生した自治体である。人口は約9万人(2024年時点)、まちの中心は、川内川と南側から合流する支流の隈之城川に挟まれた舌状台地で、その中央部を国道3号線が南北に貫く。国道沿いの市街地は、東側に九州新幹線の停車駅でもあるJR川内駅、西側に市役所が位置し、「センノオト」の敷地は市役所の西隣、「川内文化ホール」の跡地である。かつてそこにあった音楽ホールの機能は、駅に直結する「薩摩川内市川内駅コンベンションセンター SSプラザせんだい」に統合され、跡地利用として市は、「川内文化ホール跡地利活用事業」を策定、中心市街地をはじめとする地域のにぎわい創出および活性化を図り、持続可能で魅力あるまちづくりを推進するため、事業者を募り2021年に九州電力と事業契約を締結したのち、本計画がスタートした。
SE構法で『ZEB』を実現
事業主体である九州電力は、現在、グループ企業全体で2050年のカーボンニュートラル実現という目標を掲げている。そこで同社は共同事業者に、再エネを先導する九電みらいエナジー株式会社と、コンサルティングから保守管理までトータルエネルギーサービス事業を行う九電ネクスト株式会社を迎え、3社で事業を行う体制をとった。計画段階から『ZEB』認証の取得を視野に入れ、木造での建設を決断、いくつかの構法を検討した結果、SE構法の採用に至った。高断熱化および高効率機器の導入による「省エネ」と、太陽光発電設備の設置による「創エネ」に取り組み、基準一次エネルギー消費量から103%の削減を達成したことで、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)において、『ZEB』認証を取得。2024年2月時点で国内最大規模の認証となった。