【2024年度】大規模木造・SE構法の関連情報まとめ
脱炭素社会、カーボンニュートラル、SDGs、ESG投資等により木造建築の注目度が高まっています。
2024年度においても、木造に関する法改正や施策が発表され、SE構法においても認知度を高めるべく、見学会を開催したり、各種イベントに参加しています。
このコラムでは、2024年度の大規模木造・SE構法の関連情報をお伝えします。
<このコラムでわかること>
・【SE構法】令和6年能登半島地震における建築物被害調査報告
・【SE構法】大規模木造建築完成見学会in鹿児島「センノオト」開催
・【木と生きる】東京ミッドタウン日比谷に「SE構法の躯体」を展示
・【建築物省エネ法】建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度
・【助成金】JAS構造材実証支援事業の要領改正
・SE構法へのお問合せ、ご相談について
・まとめ
【SE構法】令和6年能登半島地震における建築物被害調査報告
エヌ・シー・エヌは令和6年能登半島地震において、住宅への被害が多く見られた石川県、新潟県、富山県において2023年12月末までに「SE構法」にてプレカット出荷の実績がある物件612棟の被害状況の把握を目的に、該当地区の登録施工店を通じて各物件の現状を調査しました。
■調査日程
2024年1月5日(金)~2024年2月5日(月)
■県別調査物件数
石川県 物件数: 68棟
新潟県 物件数:406棟
富山県 物件数:138棟
3県計 :612棟
この度の令和6年能登半島地震における、石川県、新潟県、富山県のSE構法物件612棟(※1)の被害状況について調査した結果、 住宅の倒壊など被害の大きいエリアも含め、「倒壊」「大規模半壊」「半壊」に関する報告はありませんでした。
※1 住宅への被害が多く見られた石川県、新潟県、富山県において2023年12月末までに「SE構法」にてプレカット出荷の実績がある物件
なお、被災地においては詳細な確認ができない状況にあるため、構造躯体に影響の無い軽微な損傷については、引き続き調査を継続してまいります。
詳細は、下記の「建築物被害調査報告」をご確認ください。
【SE構法】大規模木造建築完成見学会in鹿児島「センノオト」開催
センノオト(九州電力薩摩川内複合施設)は、「九電グループ経営ビジョン2030」に掲げられた「持続可能なコミュニティの共創」の取組みとして、川内文化ホール跡地に建てられた施設です。
<建物概要>
名 称 :センノオト
建設地 :鹿児島県薩摩川内市
用 途 :〈本館〉事務所 〈別館〉集会所
構 造 :〈本館〉木造(SE構法) 〈別館〉木造(SE構法)
延床面積:〈本館〉2,931平方メートル 〈別館〉443平方メートル
NCNでは、「SE構法」による大規模木造複合施設「センノオト」完成見学会を2024年4月18日(木)に開催しました。
おかげさまで多数の方にご参加いただきました。
関連記事:大規模木造建築完成見学会in鹿児島「センノオト」レポート
【木と生きる】東京ミッドタウン日比谷に「SE構法の躯体」を展示
良品計画グループが、2024年4月16日(火)~4月21日(日)に東京ミッドタウン日比谷で開催中のイベント「木と生きる」に出展しました。
エヌ・シー・エヌでは、MUJI HOUSEの要請により、展示ブースをSE構法を活用して制作し、協力しました。
18センチ×36センチの集成材を2つ組みわせたブースは、梁と柱を熊本県産のヒノキ、床材を能登ヒバの合板を使用し、断面の大きな部材を作ることで、在来木造ではできない大空間(柱の間隔を9m)を見せ、大規模木造の可能性をアピールしました。
イベントの詳細は下記サイトをご覧ください。
https://www.hibiya.tokyo-midtown.com/kitoikiru/#intro
【建築物省エネ法】建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度
消費者等が建築物を購入・賃借する際に、省エネ性能の把握や比較ができるようにすることを目的とした、「建築物省エネ法に基づく建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度」がいよいよ努力義務化されます。
【対象】
①2024年4月1日以降に確認申請を行った物件の新築時および、その物件が再販売・再賃貸される場合
※中古物件は任意ですが、求められる場合があります
②用途が以下の場合
住宅 :分譲一戸建・分譲マンション・賃貸住宅・買取再販住宅 など
非住宅:貸し事務所ビル・貸しテナントビル など
省エネ表示ラベルの表示が必要となりますので、ぜひBELS評価による「第三者評価」で備えましょう。
※勧告・公表・命令といった罰則も2024年4月から開始となりますのでご注意ください。
関連サイト:建築物省エネ法に基づく建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度
【助成金】JAS構造材実証支援事業の要領改正
昨年度、66,000円/㎥が助成された「JAS構造材実証支援事業」ですが、2024年度の申請に必要な「JAS構造材活用宣言事業者の登録」に係る要領の改正が発表されました。
改正の主な内容は以下の通りです。
︎ 募集期間
令和6年4月10日(水)〜令和7年3月21日(金)
17時までに全木連に持参又は郵送。 (期限内必着)
︎ 目標の変更
登録申請者の目標について、目標設定を3ヵ年後の目標に変更。(宣言様式1号)
※従来は、3年後の目標
SE構法へのお問合せ、ご相談について
大規模木造をSE構法で実現するための流れは下記となります。
1.構造設計
SE構法を活用した構造提案を行います。企画段階の無料の構造提案・見積りから、実施設計での伏図・計算書作成、確認申請の指摘対応等を行っております。また、BIMにも対応可能です。
2.概算見積り
SE構法は構造設計と同時に積算・見積りが可能です。そのため躯体費用をリアルタイムで確認可能で、大規模木造の設計において気になる躯体予算を押さえつつ設計を進めることが可能です。
3.調達
物件規模、用途、使用材料を適切に判断して、条件に応じた最短納期で現場にお届けします。また、地域産材の手配にも対応しております。
4.加工
構造設計と直結したCAD/CAMシステムにより、高精度なプレカットが可能です。また、多角形状、曲面形状などの複雑な加工形状にも対応可能です。
5.施工
SE構法の登録施工店ネットワークを活用し、計画に最適な施工店を紹介します。(元請け・建方施工等)
6.非住宅版SE構法構造性能保証
業界初の非住宅木造建築に対応した構造性能保証により安心安全を担保し、中大規模木造建築の計画の実現を後押しします。
↓SE構法へのお問合せ、ご相談は下記よりお願いします。
https://www.ncn-se.co.jp/large/contact/
まとめ
SE構法の構造スペックをうまく活用すると、木造では実現が難しい高層化、木造耐火などを実現することができます。
都市部の厳しい敷地条件の中、鉄骨造ではコストや施工に問題がある場合においても、木造(SE構法)が有効な選択肢となります。
NCNは構造設計から生産設計(プレカット)までのワンストップサービスが強みです。
計画段階からご相談いただくことで、木造建築に関する知見をうまく利用していただき、ファーストプランの段階から構造計画を相談いただくことで、合理的に設計を進めていただければと考えております。
集成材構法として実力・実績のある工法の一つが「耐震構法SE構法」です。
SE構法は「木造の構造設計」から「構造躯体材料のプレカット」に至るプロセスを合理化することでワンストップサービスとして実現した木造の工法です。
また構法を問わず、木造の構造設計から構造躯体材料のプレカットに至るスキームづくりに取り組む目的で「株式会社木構造デザイン」が設立されました。
構造設計事務所として、「⾮住宅⽊造専⾨の構造設計」、「構造設計と連動したプレカットCADデータの提供」をメイン事業とし、構造設計と⽣産設計を同時に提供することで、設計から加工までのワンストップサービスで木造建築物の普及に貢献する会社です。
株式会社エヌ・シー・エヌ、株式会社木構造デザインへのご相談は無料となっておりますので、お気軽にお問い合わせください。