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2024.09.11お客様の声

パッシブデザインとLCCM住宅:浅井良工務店 代表取締役 中口社長(和歌山県)【インタビュー】

話し手(北爪):株式会社 浅井良工務店 代表取締役 中口 勝之 氏

聞き手(前田):株式会社エヌ・シー・エヌ 執行役員環境設計部長   前田 哲史

 

前田

:本日は、和歌山県で創業50年を超える工務店を営まれています株式会社 浅井良工務店の代表取締役 中口社長に、オンライン勉強会の講師として東京都千代田区永田町の株式会社エヌ・シー・エス東京本社までお越し頂きました。

本日の勉強会の概要や、SE構法を活用したパッシブデザインをどの様に経営戦略に取り入れておられるのかをお聞きしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

簡単に中口社長と浅井良工務店様のご紹介をお願いします。

 

中口

:当社は和歌山県北部と大阪府南部を商圏としているSE構法プレミアムパートナーです。

従業員16名、自社専属大工4名と共に、年間:戸建住宅を10棟、リノベーションを6棟ほど設計施工を行っています。

私が設計士、現場監督が大工のバックグラウンドを持っており、設計士と大工の2つの視点を積み上げた家づくり「DANRAN PROJECT」というコンセプトのもとお客様に寄り添う家づくりを行っています

 

前田

:ありがとうございます。簡単で結構ですので、本日の勉強会でお話しいただきました概要を教えて頂けますでしょうか?

中口

:本日の勉強会では、当社がホームページやSNSで集客したお客様に対して提供している「家講座」というセミナーの内容をご紹介させて頂きました。

冬暖かく、夏涼しく、かつ光熱費が安い! さらに全棟構造計算の耐震等級3で設計する安心の耐震性能の高い家について解説する講座です。

 

前田

:冬暖かく、夏涼しく、かつ光熱費が安い!というのはどの程度なのかと気になりますね。

 

中口

:講座に参加されるお客様もその点に大変ご興味をしめされます。。

当社は充分に暖かい温度設定を22℃、充分に涼しい室温設定を26℃としてシミュレーションを行っています。

運転時間も入り切りする間欠運転ではなく、居室全体を連続的に暖冷房する条件で光熱費算出をしています。

国が2030年に引上げをしようとしている断熱性の等級である「等級5(誘導基準)」を一般的なハウスメーカーの仕様と仮定し、当社のUA値 0.36のSE構法で作るパッシブデザインの家との比較でお伝えしています。

鳥観図は床や壁の表面温度を示しています。下図は冬の一日を可視化したものです。一般に体感温度は室温と表面温度の平均値と言われており、色が緑に近い当社の方が体感も暖かいことになります。

グラフの棒グラフは、暖房に必要な熱を表しています。夜間に必要な熱(赤い棒グラフ)は変わりませんが、日中の日射取得熱(黄色い棒グラフ)については当社のパッシブデザインの方が圧倒的に多く、日没から就寝までの暖房に必要な熱が圧倒的に少ないことが分かります。これこそがパッシブデザインの一番のメリットです。

このような話はとても理屈ぽい話なのでご主人様は身を乗り出してお話を聞いていただけるのですが、奥様の関心が失われていくことが多いです。

そこで当社の講座では、左脳から右脳に切り替えてパッシブデザインをお伝えすることを心がけています。

日射取得熱について直感的にご理解いただけるように、比較動画をお見せするようにしています。

動画は快晴の一日に太陽がどのように動き、室内にどの程度の日射熱をもたらすかを表現しています。

美しい室内に暖かい日射が差し込む動画に奥様の目も輝きだします。(笑)

 

前田

:そこまで考えて講座をなさっているのですね。

しかしここまでしっかり日射取得をすると相当光熱費は下がりそうですね。

 

中口

:もちろんです。太陽のエネルギーは無料ですからしっかりと暖冷房と換気の光熱費を削減してくれます。

「等級5」のプランを建築研究所のウェブプログラムで計算すると275円/㎡になります。30坪だと約100㎡なので、年間の暖冷房と換気の費用が27,500円と算出されます。

ウェブプログラムの温度設定は冬が20℃、夏が28℃と基準が甘いうえに夜間は暖房しないなど、現代生活の暖冷房スケジュールとは大きく乖離するため非常に安く算出されます。

次に当社のシミュレーション設定で「等級5」を確認してみると、508円/㎡となり年間50,800円と急増します。

一部の高性能をアピールするハウスメーカーさんは、高価な3層ガラスや断熱材を山ほど使用しては「等級7」の商品を提供されています。、それでも350円/㎡(35,000円)程度になります。

当社が提供するSE構法を活用したパッシブデザイン住宅は、最低限の建材を用い無限にある太陽のエネルギーを活用することによって、341円/㎡(34,100円)になります。

日射で蓄えた熱を日没後に逃がさない工夫として、「ハニカムスクリーン」や「熱交換型換気扇」を採用することにより、279円/㎡(27,900円)まで年間の光熱費を削減できるのです。

そして忘れてはいけないのは、家の表面温度が比較プランよりも高く比較プランよりも薄着で快適に過ごせます。

 

前田

:太陽エネルギーの活用は有効ですね。太陽光パネルは活用されないのですか?

 

中口

:搭載しています。冬は日中エアコンが動くことはありませんが、夏は24時間エアコンが動いています。

太陽光発電を搭載すると、先ほどの光熱費の夏の冷房分が安くなります。

 

前田

:『ZEH』にもなっているのですか?

 

中口

:当然『ZEH』になっています。当社の建物は、『ZEH』のもう一つランクが上の「LCCM(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)住宅」を目指しています。

なるべくCO2を発生する建材使用料を最小限度にとどめ、パッシブデザインで太陽の無限のエネルギーを活用します。その上で最小限度の太陽光発電を搭載し、使用した建材や工事の際に発生するCO2もマイナスになる家づくりに取り組んでいます。

 

前田

:入居後のエネルギーをネットゼロにする『ZEH』を凌駕し、建築に係るCO2までネットゼロにする「LCCM住宅」に関する取り組みに深く感銘を受けました。

本日は貴重な勉強会を開催して頂き、誠にありがとうございました。

 

エヌ・シー・エヌでは、2025年4月省エネ基準適合義務化に向け、建物用途を問わず「省エネ計算サービス」を提供しています。

またAE-Sim/Heat Plus(多数室動的熱解析ソフト)を用いた「室温燃費シミュレーション」サービスの提供も開始しています。

自社の設計手法にパッシブデザインを取り入れたい方、LCCM住宅にご興味のある方は、下記までお気軽にお問い合わせください。

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株式会社エヌ・シー・エヌ 環境設計部

050-1780-0264

https://www.ncn-se.co.jp/energy/

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